平成15年5月19日発足





― ごあいさつ ―



  21世紀も数年経ったが、いまだ日本は政治・経済・社会のいずれにおいても閉塞感があり、ぱっとした明るさがみられない。 21世紀の日本を支えるものは日本人の優れた頭脳を活用した新しい物づくりであることは明らかである。 大学発のベンチャー、特にバイオベンチャーによる物づくりが大きな使命を担うと信じている。
  当時は気がつかなかったが、私個人も15年前に大学発バイオベンチャーを設立し、現在も現役で研究・開発・経営にあたっている。
最近政府も大学発バイオベンチャーの重要性を認識し、政策面でもまた予算面でも充分配慮している。 しかし大学発バイオベンチャーが大きく発展し、しかも素早く社会に貢献するためには、いくつかの大きな問題点を克服しなければならない。 その問題点をもっともよく知り、また理解できるのが実際にベンチャーを立上げ運営し、またこれからベンチャーを作ろうとしている方々である。 個々の人が考え悩むのではなく、同じ問題を抱える人々が集まり、問題点を整理し、自分達で解決できるものは解決し、国・支援団体・大企業・マスコミの助けを借りなければならない時はまとめた意見としてぶつけていくほうが遥かに効率的であると考えたのが本協会を設立する一つの目的である。 他の目的は、大学発ベンチャーとその関係者すなわち行政マン・企業人・大学当局ばかりでなく弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のほか、ベンチャーキャピタル、証券会社、TLOなどに勤める方々との交流の場の提供である。 これらにより、日本における大学発バイオベンチャーが大きく発展し、人類の福祉に貢献するとともに、日本の産業の発展を通し、初めに述べた日本の活気を取り戻すことができる。
  大学発バイオベンチャーと一口に言っても、ベンチャーが開発するものは医薬品、診断薬・技術、医療器具、遺伝子治療・診断、再生医療技術など多くある。 本協会はできるかぎりこれらの分野を網羅したいと考えているので、多くの専門家の知恵を得、意見を集約したいので、是非日本の発展の為にご協力願いたい。 順序が逆になったが、本年5月19日に設立会を開き本協会の設立趣旨、会則、主要人事が承認された。 今後の予定であるが、できれば本年10月を目途に、中間報告であっても協会の方針や要望を総会決議といった形で示したいと考えている。


2003年7月
大学発バイオベンチャー協会会長 水島 裕




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